帝王降臨 1

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。府中市はもちろん、調小平市、清瀬市、狛江市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

前回「小学校の飼育小屋塗装」について思い出を語らせていただきましたが、「飼育小屋」といえもう一つ思い出深い出来事があるのです。
そんなにあるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが役所の仕事を40年もやってると、大小様々、結構な数を塗りました。
当社が直接請け負った物以外にも建築会社さんが請け負った工事も含めると更に数が増えます。

あれは・・・そうですね私がまだ駆け出しだった頃のことなんで・・・昭和ですね。
ところで最近、「昭和テイスト」とか「昭和世代」、「昭和歌謡」なんてよく言われますけど、あれってどうなんでしょうね(^^;)ちょっと待ってほしいと思いませんか?昭和って64年まであるんですよ。堂々六十数年間にわたる時代。
しかも太平洋戦争まで間に挟んでるじゃないですか。それをひとくくりにされてもねぇ・・・
「大正ロマン」これなら分かります。戦争前のモダンな時代だし、お洒落な感じがしますよね。期間も15年しかありません。わかりやすい。
でも、昭和の場合60余年をひとくくりにされて呼称されてもですよ・・・なんか納得いかないというか・・・勘弁してほしいというか・・・まぁいいです。本題に戻りましょう(笑)それを言ったら縄文人や弥生人には更に言い分がありそうですからね。

当時どうにか一通りの仕事を覚えて一人で現場に行く事が許されるようになった私が行ったのは、T市の○○小学校。ここのやっぱり校庭にある飼育小屋でした。
その構造は「屋根があって金網で囲ってあって出口がある」という大雑把なもの。そこに間仕切りなどを増やして動物達が個別に棲み分けられるようにする改修工事。新規に作った後付けの仕切パーツで区切ったりするわけですね。ちゃんと移送用の仮飼育小屋もあったので本格的な工事だったと思います。
出来るだけ短期間で利用再開が出来るようにする為に出来上がったパーツを取付前に塗装しておくというのがその日の仕事でした。
バリケードで区切られた工事区画内でフラットバー、アングル材などを垂木の上にずらりと並べて下塗りしていると、建築会社の社長さんがやってきました。

「やあやあ、やっとるな、お兄ちゃん(当時)。まだ鉄工所から部品と棚が届くことになってるからバンバン塗ってくれや!」
「あ、おはようございます(^^)」
「おうおう。ペンキ屋さんは刷毛持って撫でてるだけだからすぐに終わるだろ?」
「いやいや(^_^;)片面ずつ塗って、それからあと上塗りにもう一回塗らないといけないんで結構時間が掛かります」
「ハハハ(^o^)分かってるって。冗談だ!写真取りに来たんだよ。写真。ハイチーズ!」
「ああそうか・・・役所は写真撮るんでしたね~モデル料高いですよ(この頃からあったお約束ジョーク)」
「はいはい。どうもありがとう。イイ感じだよ~!なんてね」
「あとどれくらいくるんですかね、部材。」
「そうだなぁ・・・ちょっとこっち来てくれや」
「はい」

少し離れたところにある改修前の飼育小屋。大きさは「新春ウサギ騒動」のものと同ぐらいの六畳間サイズだったと思います。ただ、前述の通りシンプルな構造で間仕切り等はありません。

「ココとココに間仕切りして金網張る。入り口前に用具とか入れる部屋を作る・・・そんでココに三段の棚が・・・」
「あ、ココにもですか。結構大変だなぁ(^_^;)」
「兄ちゃんなら若いから(当時)どうってことあるめぇ(^^)」

すると斜め下の方から・・・

「オジサン達何してんの?(^.^)」

学年で行ったら三年生か四年生ぐらいの男の子が声をかけてきました。

「うん。オジサン達はこの小屋を綺麗にする工事をやるんだぞ(^o^)(^^)」
「ふーん・・・そうなんだ(=_=)気を付けてね・・・
「え(^^;)(^^;)なんだって?」
「気を付けてね(-_-)アイツには・・・」
「誰?(^^;)^^;)?」
「アイツだよ!(^_-)/」

少年の指さす先には茶色い大きな鶏が一羽。

「なんだ、おどかすなよ~鶏じゃんか(-_-;)あれがどうだっていうんだ?(^^;)」
「鶏じゃないよ。軍鶏だよ(=_=)オジサン」
「え(^^;)(^^;)シャモ??」
「アイツはね、近寄るものを全て攻撃するんだ
「あら~(^^;)^^;)」
「ほら、ほかの鶏が隅っこにいるでしょ(=_=)知ってるんだ、アイツの怖さを・・・
「(@_@)(*_*)」
「僕たち『いきものがかり』はね~アイツのことを『帝王』って呼んでいるんだ・・・気を付けてね。ホントに・・・」

まさかこんな世界の片隅に帝国が築かれているとは夢にも思わなかった我々は、呆然と立ち尽くすのでした。


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