ネジ山地獄の救世主 1

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。府中市はもちろん、調布市、国立市、八王子市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

数回にわたって電動工具による事故、怪我のお話をして来ましたが、ちょっとした油断が事故につながる電動工具。

今では安全対策もずいぶん進んで巻き込み事故なども起こりにくい仕様になってきましたし現場作業においてはもはや欠かせない物となっています。
今となってはそれらのない現場作業などちょっと考えにくいですね。

ハギワラ製作所さんの鉄回転帽子掛け

それがあるとないとでは大違い。
昔はそんなものの存在すら知らなかったペンキ屋の小僧もいて、それが私だった。
正確にはまだ学校に通っていた頃ですから四十数年前、夏休みに小学校の塗替工事の手伝いに駆り出され、やらされたのが廊下にあるフックの取りはずしでした。
当時の学校はランドセルを後ろの棚に、体操着や帽子、体育館履きなど廊下の壁に付けられたラワンベニヤにずらりと取付けられたフックに各自が掛ける決まりになっていました。
このフック、金属製の金具で板にネジ止めされていました。今回このブログを書くに至って調べてみますとハギハラ製作所さんの「鉄回転帽子掛」と呼ばれている金具が一番近い形をしています。
でも・・・もうちょっとネジ取付部の形がお洒落な曲線で構成されていたような気がします。蝶々みたいなデザインだった気がするなぁ・・・

この金具部分とフック本体の取り合い部分がまたやっかいで、実に塗りにくい。

この複雑な形を刷毛で一個一個ダメ込み(塗分け)するとなるとたいへんな時間がかかります。
お役所はなんでも「三回塗り」ですからね(^_^;
かといって金具ごと塗りつぶすわけにもいきません。
そこで親父が考えたのが『ガキ共にこれを外させよう!金具がなければただの板だ!』

当時中学生だった私と兄は小遣いほしさについだまされて小学校に連れ込まれました。
そして普通のドライバーを渡されて

「この金具を全部外せ。金具はこの箱、ネジはこのバケツに入れろ」

といわれ、呆然としました。

最近では少子化の為生徒数も減っているそうですが当時はまだ小学校の数も少なかったため一学年は6クラス以上ある学校が珍しくはなかった。
仮に6クラスずつあったとして、六学年で36クラス。
それぞれの教室には予備を含めて50人分(一人各一個)の帽子掛けあったと記憶しています。
つまり36×50=1800個!
しかも、この帽子掛けには一個につき4個の木ネジが使われています。
つまるところ・・・合計7200個のネジを一個、一個手でドライバーを回して外す。
これはキツイ!簡単に外れるものもあるのですが、少々錆が出ていて力を入れなければ廻らないものもありました。
朝から夕方までこれを繰り返しても一人4教室ぐらいしか進まなかった。
これを数字にすると800個のネジ。

休憩時間を抜きに考えると一本あたり三十三秒秒ぐらいになりますね。

かかりすぎ?いやいや・・簡単なのはスルスルとれて10秒弱。ところがちょっと錆びて粉を吹いているようなネジはなかなか回らない。
うかつに回すとネジ山を潰してしまうため慎重にならざるおえないんです。
塗替の時期に来ているような建物ですからその比率が多い。
まさしくこれは『ネジ山地獄』なのでした・・・


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