ペンキ屋さん、ペンキが作れないときもある

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。府中市はもちろん、調布市、国立市、稲城市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

 

前回のブログでは祖父の代までさかのぼって「ペンキ屋は昔、ペンキも作ってたんだよ~」というお話しをしました。
材料置場の裸電球の下「コネ棒」をグリグリと操りながら作っている親父の姿を思い出します。

材料は亜麻仁油などから作られたボイル油、貝殻の粉末や、黒炭、黄土、光明丹、鉱物の粉末だったようですが、正直なところ私自身は一から材料を作った事はありませんのであまり詳しくはありません・・・私の頃はもっぱら既存の塗料を混ぜ合わせ目的の色調に整える「調色作業」これはほぼ毎日のように行って来ました。

携帯電話もない時代でしたので事前の打ち合わせといってもそう度々連絡も取れず仕上の色が大まかにしか決まっていないなどという事は日常的に有りました(^_^;)

「打ち合わせは現場入り時、現地で」ですね。

そこで決まった色は特に難しい色彩、材料でなければその場で調色してしまう段取りが多かったのです。塗替現場などでは「現状色」この一言の時も多かったです。
そんな頃のお話しです。

ある日鉄骨屋さんから連絡があって

「車二台が入るガレージ作ったから塗ってくれ」

という。

こう書くと単純明快なんですが、実のところこちらの社長さんからの電話の内容というのは非常に分かりずらいのです。

この社長さん、いつもニコニコの人情家で、大好きだったのですが出身地の「青森弁」が実に難解だった(^_^;
それがなぜだか電話になると更に早口になる傾向があって
「明日がら○△□でぇ、××△▲をさ、やってもらいでンだ」

という感じ。

こっちに来てから長いのにまったく癖の強さが抜けてない生粋の青森弁。
というのも社内の人間みんながそうだから日常会話が今でもお国言葉。若い職人さんはまだそれほどでもないんですが、年配の人は強烈なんです。

ゆっくり話してくれれば大丈夫なんですが、スピードが上がってくるともうダメ。でもみんな性格がせっかちなのでのんびりと話していられない。
「え(?_?)?なんですか?」
「だはんで、カクカクシカジカだは、ウンタラカンタラ・・・なんだって」
「・・・(*_*)?」
「通訳よぶが?(^^)」
「おねがいします」
「おーい!」
と、ただ一人の東京出身の社員さんが呼ばれ・・・
「えーっとね(^0^;・・・社長が言いたいのは・・・」
嘘のようなホントの話。(よくわかるなぁと、いつも感心しきり)
でも、この時は親父が電話を受けたのでさすが年の功、ちゃんと理解出来たらしい。
しかしながら規模的には

「鋼材で2トンぐらいだぁ」

と重さでおっしゃったとのこと。
物によって表面積は変幻自在ですが、まあ車二台入るという事は一斗缶一本ぐらいは最低限必要だろうと思われる・・・
「色はなんだって?」
「グレー」
「グレーね(^_^; じゃあ白と黒多めに持っていくか・・・」
グレーと一言いわれても実際に色を作る側となると白と黒の割合ひとつで様々な色合いがありますし、黄色や赤がほんの少し入った色番でもやっぱり人によっては「グレー」です。

いってみれば漠然とした方向性にしか過ぎません。本当は日本塗装工業会の色見本帳の番号とかで決めておいてもらうとありがたいのですが・・・

その点はこちらも心得ていて、とにかくどんなグレーでも作れるような用意をして現場に向かいます。
住宅街の現場に行くと、赤錆止めの塗られた鉄骨ガレージの前に鉄工所の社長さんが待っていました。
「おはようございます~!」
「オーはやぇなあ(^^)見本帳持って来だがや?」
「はいここです。グレーは前の方、このあたりですけど・・・」
「うん?そうでねって。グデーなんていってねじゃ(^_-)」
「へ?(^_^;)グレーですよね?」
「グデェーン!!(>_<)」
「グデーン?(@_@)」
「グデェーン!緑色っていってらんだよ。グ・デ・ェー・ン。親父によぐしゃべっとげ、間違えんなって(`へ´)」
「ハイ(>_<)わかりましたー」
いやいや、それは・・・「緑」っていえばいいじゃん・・・
青がたりないよ~(T_T)


一覧ページに戻る