昔の足場はかなりアブナイ(^_^; 2

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。府中市はもちろん、三鷹市、調布市、狛江市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

前回でお話しした「丸太足場」。三十年ほど前までは町中でも結構見かけることが出来ましたが、最後まで使われていたのは解体工事現場での飛散防止シート用のものでしたね。これもどんどん単管パイプに切り替わっていきました。
ブラケットと足場板を使わない「単管の抱き足場」でさえその組み上げクランプには直角を保つ機能があります。丸太と足場用なまし番線で組み上げられた足場よりはるかに剛性が高いといえますから当然のことでしょう。
そんな足場ばかり使っていて新築現場で建物より先にくさび形連結足場(ピケ足場)が組み上げられているのを初めて見たときには驚きました。1段目がきちっと一周組めれば、あとは上に積み上げていけるほど剛性が強い。よく考えられているなあと思います。当社でも最近では専門の足場屋さんとの協力体制を整えて、ケースバイケースで足場の架設方法を検討する方向にシフトしてきています。
まかり間違っても丸太足場を架設したりはしないのでご安心ください(^_^;
そもそも丸太がないです・・・

「みんなパイプで組み始めたし、うちでもパイプ足場に切り替えよう!」

となってから指折り数えるともうすでに20年以上経っています。・・・25年かな?ですからこの話もまた、25年以上前。パソコンを導入するより先にそちらの方は近代化が進んでいたのです。
前回ウチで組んだ丸太足場を板金屋さんが使わなかったという話をしましたが私自身もほかで組んだ足場を借りて仕事をする事も結構有りました。
その頃は外壁というとモルタルで仕上げた壁に「セメントリシン」や「スタッコ」、「吹付タイル」といったコンプレッサーを使った「ガン吹き」仕上げが主流。最初の頃はモルタル下地から仕上げまで左官屋さんが担当の仕事で、見よう見まねで塗装屋が左官屋さんが仕上げた壁に吹付を行うようになっていったと親父がよく話していました。

また、その後吹付専門に請け負って仕事を行う「ガン屋さん」も現れていき、いくつもある取引先の工務店によって壁面の仕上げを行う下請業者が異なる状況になっていました。つまり○○建設の現場では左官屋さんが、×○工務店ではガン屋さんが、△▲建設では当社が壁面の仕上げを行うといった具合です。
町中で戸建を請け負っている建築屋さんは出入りの下職も付き合いが長く顔なじみの間柄。工期が押せ押せになっている現場で何社もの人間が同じ現場でかち合っても喧嘩などすることもなく、現場によっては和気藹々とお茶を出し合ったり、弁当を囲んだりしたものです。
その日は親父に×○工務店さんの塗替現場に行ってくれとの指示。壁面はガン屋さんが吹き替えてるから木部と鉄部の塗替とのこと

「了解しました~(^^)いつものガン吹き屋さんだね」
「足場もガン屋さんが架けたの使うことになるから、よく御礼言ってから仕事しろよ」
「もちろん!笑顔で挨拶!ありがとうだね(^^)OKです」

材料を積み、後に「耳を澄ませば」の舞台になったあたりの住宅地へと向かいました。

「あら~(^_^;)丸太足場じゃん。まぁいいけど。慣れてるし・・・こんにちは~!!
「お~う。ペンキ屋さん(^^)久しぶりじゃんよう。何しに来たの?」
「何しにって・・(^o^)足場借りて木部と鉄部塗ってくれって。工務店の社長が」
「あ、そうなの(*_*) なんだ~ウチの親方何も言わないんだもんなぁ・・・そうと知ってれば気が楽だったのに、一生懸命養生しちゃったよ」
「あはは(^^;)ご苦労様でした・・・」
「あれ!!(@_@)」
「ん?^^;どうしたの?」
「いま、ウチの足場使うって言った?」
「はい!貸してもらえる事になってるんだって。よろしくお願いします。ガン屋さんが終わるまでは邪魔にならないようにしますから<(_ _)>」
あら~(-_-;)それはちょっとマズいなぁ・・・ブツブツ
「もう解体して別の現場に架ける事になってるとか?」
「いやいや、そんなことはない(^^;)足場なんてめったに架けないんだウチは」
「お邪魔だったら別の現場に行っても良いですけど・・いつ頃なら大丈夫ですか?」
「いや、仕事はもう終わってるんだけど・・・使うんだ・・・ウチの足場(-_-;)
「丸太足場なら慣れてるから大丈夫ですよ(^^)」
「う~ん・・・分かった!じゃあちょっと待っててくれる?」
「ハイ」
「いいよって言ってから上がってきてね!」
そう言い残すとガン吹き屋さんはススッと家の角を廻って姿を消しました。
すると・・・・
『ゴン!ガン!』
『バキ!』
何やら大きな音がしたかと思うと
『バキバキ・・・ドサッ』
(@_@) ガン屋さんー!!大丈夫!??」
「大丈夫! もうちょっと待ってね~」
『ゴゴン!ガン! バキ!・・・バキバキ・・・ドサ』
(>_<)ちょっとちょっと!何が起こってるの?」
「大丈夫! あと1箇所・・・」
そう言いながら正面に戻ってきたガン屋さん。最上段から2段目に移動していました。そしてベランダ脇までやってくるとためらわず抱き合わせてある横木丸太の片方を『ドン!ガン!』と蹴り始めました。
二、三発目の蹴りが入ると15㎝ほどの丸太が『バキ!』っと音を立てへし曲がった。
ガン屋さんがするりと一段下に降りて上下にその丸太を揺すると『バキ、バキ』・・・あっさり折れてしまいました。
「さぁ!これでいい! (^o^)もう登っていいよ~ペンキ屋さん」
「え(?_?)?」
「(^-^)これで心配なし!これでキノコはなくなった
そう言いながら手に持った丸太の折り端を『ドサリ』と下に落とした。近寄ってみてみると確かに白い「サルノコシカケ」みたいなキノコの赤ちゃんがピョコピョコ顔を出しているじゃありませんか。
「これが生えてるといきなり折れたりするよね(^o^)乗っかっても変な音するし。なんかあっても困るからさ~先に折っておいたよ」
「それはご親切に(^^;)ありがとうございます」
「そうそう・・・折った所は一本丸太になっちゃってるから気を付けてね(=_=)」
「3か所ですね。聞こえました(T_T)
「ははは・・スマン(-_-;)。いきなり折れるよりは最初からない方がマシかと・・・」
「・・・明日丸太持って来て補強しておきますよ(;_;)」
「悪いね~終わったら連絡してね(^^;)・・・ゴメンね」
・・・これが嘘のような本当の話。
この日は下の方を中心に仕事をし、翌日欠損部を補強してやっと一安心。
現場を引き渡すときもその追加丸太は取り付けたままプレゼントいたしました。
解体の時ガン吹き屋さんが落ちても困るし、丸太はいっぱいありましたから。


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