「ラジカル塗料」について

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。
八王子市、立川市、小金井市、調布市、など多摩地域を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

最近私共の業界で頻繁に話題となることが多くなった「ラジカル塗料」と呼ばれる材料をご存じでしょうか?
実は、各メーカーから「ラジカル」製品が出そろってから五年ほどがたっております。一番最初に開発した製品で8年前ぐらいでしょうか。
その間、実際に採用した現場数が少なかったのは、いわゆる「様子見」。つまり、他社、あるいはメーカーからのサンプル提供的施工例の評判、耐久性などをみていたからなのです。
塗料メーカーは日々研究を重ね、高耐久、高耐候の製品を発表します。
しかしその中には現場での扱いがたいへん難しい物や、塗りずらいものなどもあるのが実情です。これは塗料に限らず養生用品などの消耗品などにも有りまして、直線に貼ることが容易で切りやすく、製品も安価という謳い文句で販売された養生テープが、数日後に剥がすことが困難だったりすると、半年後には見かけなくなります。
逆に良い物、便利な物は現場や組合での職人達の交流で自然と広まっていき、宣伝しなくとも定番となっていくものです。
塗料の場合ですと現場での扱いやすさはもちろんですが、特に「様子見」となるのは耐久性です。
「塗りにくい」とか「ローラーがすぐ固まる」、「隠蔽率が低い」などの施工上の不具合はひとつの現場が終わるまで我慢してしまえばそれで終わります。
次の現場からは同種の別のメーカー品を試してみるなりするのですが、問題は施工完了後、建物に数年後の不具合が発生、例えば退色、艶や塗膜の剥離などの不具合が、メーカーのカタログから期待される耐久期間よりも短い期間で起きてしまう場合です。
もちろん新しい材料は開発段階で高負荷による耐久試験が行われています。

 塗膜表面に結露が生じない程度、あるいは結露させて高湿度下で試験する耐湿性試験
 塩化ナトリウム水溶液を連続的に噴霧し腐食進行に対する抵抗性試験
 カーボンアーク灯や水銀ランプを用いて塗膜表面の耐紫外線性を評価する耐光性試験
 さらにはそのような太陽光を模擬した紫外線灯と塗膜表面の湿潤、乾燥条件下での塗膜表面の変化を観察する促進耐候性試験

などなど、多岐にわたる試験が繰り返し行われてはいるものの、あくまで人工環境下における試験結果であり実際に建物に塗られ、様々な相互作用経過した状態で確認されたものではなく、「期待値」として耐用年数が記述されているということを忘れることは出来ません。また、塗料というものは塗料メーカーから出荷される状態のままでは「未完成品」という解釈がなされています。

これは皆様のお宅のリフォーム工事において適切な条件下で正しい施工管理の下施工が行われない限りは完成品とはいえないからです。つまり、高耐久、高耐候、15年(期待値)とカタログに書かれておりましても塗料メーカーとしての保証ではないのです。なぜなら「未完成品」だから・・だからこそリフォーム工事は、しっかりした施工が行える会社を選ぶ必要があります。見積に記載されている塗料が実際に使われても必ず塗料の性能が発揮されるとは限りません。また、残念ながら逆のことも起こりうるのです。新しい塗料は、鉛、クロムフリー、シックハウス対策の方向にむかい、同時に高耐久、高性能へと進化していくのですが試行錯誤を繰り返し、消えていく材料、改良が重ねられて材料名が変わったりしていくものです。
これらはほとんどが発表の初期段階にみられますので我々としてはどうしても「様子見」状態になります。
いくら工程管理をしっかりと行っても実績のない材料を選んで「万が一」が起きることを心配するよりも、過去多数の工事に使って一度も問題が起きなかった塗料、はたしてどちらを選ぶかといえば後者となります。更に確かに耐用年数が20年程度であったとしても付随する木部や鉄部の塗料の劣化が起きれば壁面以外の部分をメンテナンスをする必要がありますし、軒庇のある建物などでは埃などの付着の汚染はさけられません。塗膜そのものがまだしっかりとしていたとしても、緑色の苔やカビが壁面に発生している景観が問題となって塗替の依頼をなさる方も多いのが現実です。
そのような理由で当社としては比較的高額となる「ラジカル塗料」をお勧めすることはあまりありませんでしたが、実際の施工例の増加に伴いましてお客様よりお問い合わせのある場合や、効果的であると判断した(塗料の高耐久性を求めることが建物の長期修繕計画に有利に働くと判断できる)場合、ご提案させていただくことも多くようになりました。

「でも、そもそもラジカル塗料って何?」

ごもっともです(^_^;難しい定義があるんですが、僕なりに解釈していることを次回書き連ねていきたいと思います。


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