狭間(はざま)の床 3

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。府中市はもちろん、日野市、稲城市、国立市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

夜も更けていき静まりかえった廊下を、すっかり意気消沈した防水屋さんを引き連れて歩いて行きました。

「さあ、さあ、ついた、ついた!ここが今回の現場となります」
「・・・・」
「ほら見ろ、どう見てもタダの機械室。まったく変わりはないよね。要は気の持ちようだと思うんだ。うんうん(^^)」
「・・・そんなもんでしょうか(/_;)」
「ほら、塗装箇所はここと、ここと、ここ。それに一番向こうでたったの4箇所。楽勝でしょ(^^) おいしい仕事だね。今日はお釜・・・火葬炉も使われていないし余熱もすっかりとれているから・・・あら(@_@) まだ暖かいや、すごいもんだね。でも大丈夫、火傷とかはしないから問題なし!」
「むしろなんか・・・寒い気がしませんか・・・この部屋(>_<)」
「ウンにゃ。そんなことはない。(^_-)気の迷いだ」
「そうですかねぇ~(T_T)」
「今回の仕事を受けるにあたって、俺も最初は正直驚いたが・・・よくよく考えるとだね、何も恐れることはないと気が付いた(^-^)」
「なんで・・ですか?」
「実を言うと、ここには俺のお袋もご厄介になっているわけだが・・・お袋がここに居るとはまったく思えない。というかいるはずがないのだ」
「なぜです?」
「だってなぁ・・・もし自分が亡くなったとしてだ、この世に霊魂があるとしたら・・・」
「僕は信じてる方なんですけど(/_;)」
「まあ、聞いてくれよ(^^) 俺がそうなったらこんなボイラー室みたいなところにとどまったりはしないね。自分の行きたいところにいけるわけなんだからさ、一緒に来た連中のことが心配だし、くっついて帰る」
「あ!(*_*)・・・」
「あるいは好きなところに行く、どこへなりとも行ける様になるわけなんだから」
「なるほど・・・」
「ここはあくまで通過点なわけだ。だから誰もいないよ。ここで誰かが死んだわけでもない。だから、安心して大丈夫。綺麗にしてあげればここを通る時喜んでくれるハズだ(^^) 恨まれる理由がない」
「・・・・う~ん(=_=)納得できるような・・・気がしてきました」
「むしろ、良いことが有るかもしれない(^^) うん、うん」
「そうですかね(^^;)?」
「そうそう(^^) がんばろう!」
「でもやっぱり不安だなぁ・・・(=_=)」
「まぁ、そう思う人間もいるかもと思って、秘密兵器を持って来た(^_^)v」
「え?(@_@)そうなんですか!ありがたいです」
「これこれ!専売公社特製品!これ一振りですっきり爽快だ!」
「食卓塩・・・・給食の時使うやつじゃないですか(^_^;) ゆで卵じゃないんですよ俺」
「だって『アジシオ』って化学調味料が入ってたんだもん。さあさあ、みんなでお清めして作業に取りかかるぞ(^.^)」
「・・・・はーい・・・」

こうして友引の夜は更に更けていくのでした。


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