信じないとは言わないが

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。
府中市はもちろん、立川市、日野市、国分寺市など東京多摩地域を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

「あ!やっちゃった!」
「?どうしたんです?建具屋さん」
「飲んじゃった、釘~(*_*)」
「え~マジ??」

今では外回りで建具屋さんと一緒に仕事をするってあまりないんですが、当時は雨戸が木造のベニヤ貼りの物も数多く残っていて、ちょっと塗替の時期を外ししてしまうとベニヤ板がブカブカになっている事もありました。
そうなるとベニヤ板だけ張り替えてから塗る必要があります。
そんなわけで一緒に仕事する事もあったわけです。
トントンと良い調子でトンカチの音が響かせる建具屋さんの口には次に打つ真鍮釘が光っていた。
・・・光ってたけど・・・今は胃の中。

「なんでまた・・・?」
「いや、いや参ったな~ つい魔が差したというか、くしゃみしそうになって(T_T)」
「よくやるんですか?」
「いや、やったことない。」
「え!はじめて?(^_^;)大丈夫なんですか?」
「わかんない。真鍮だから錆びないと思うけど」
「いやいや!そうじゃなくて(思わず吹き出しそうになるのを必死でこらえつつ)」
「大丈夫、そのまま出てくるんじゃないかな~多分・・・」
その割には顔色が真っ青なんですが。

「お茶ですよ~ペンキ屋さん、建具屋さん・・・どうかなさったんですか?」

・・・実はカクカクシカジカ・・・

「それはたいへんだ(@_@)どうしましょう。痛くないですか?」

その家の御家族まで巻き込んでの大騒ぎに。
すると家の奥から
「そんなときこそ!これじゃ!」
自信たっぷりに登場したおばあさん。
突き出した掌には何やら紙切れが・・・
「巣鴨のとげ抜き地蔵さんの御影! これを飲みなさい」
「・・・(^^;(^^;(^^;)」

(ボソボソ・・・これなんなの・・・・お札の類?・・ああ、地蔵様が書いてある和紙?(;^^)(^^;)?飲むとトゲが抜ける?ボソボソ)

「何をひそひそ話してるのかね(^_-)!」
「いやぁ・・・トゲじゃないし」
「・・・釘だもんね」
「・・お気持ちだけはありがたく・・」

ここで「巣鴨のとげ抜き地蔵さん」を知らない方に
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋して
補足説明をいたしておきますと・・

高岩寺(こうがんじ)とは、東京都豊島区巣鴨にある曹洞宗の寺院。
山号は萬頂山。本尊は地蔵菩薩(延命地蔵)。一般にはとげぬき地蔵の通称で知られる。
江戸時代、武士の田付又四郎の妻が病に苦しみ、死に瀕していた。又四郎が、夢枕に立った地蔵菩薩のお告げにしたがい、地蔵の姿を印じた紙1万枚を川に流すと、その効験あってか妻の病が回復したという。これが寺で配布している「御影」の始まりであるとされる。
その後、毛利家の女中が針を誤飲した際、地蔵菩薩の御影を飲み込んだ所、針を吐き出すことができ、吐き出した御影に針が刺さっていたという伝承もあり、「とげぬき地蔵」の通称はこれに由来する。そこから他の病気の治癒改善にも利益(りやく)があるとされ、現在に到るまでその利益を求めて高齢者を中心に参拝者が絶えない。
本尊の地蔵菩薩像(延命地蔵)は秘仏につき非公開である。本尊の姿を刷った御影(おみかげ、縦4センチメートル、横1.5センチメートルの和紙に地蔵菩薩立像が描かれている)に祈願・またはその札を水などと共に飲むなどしても、病気平癒に効験があるとされる。「巣鴨のお地蔵様」として信仰されている。

おばあさんの掌にあったのはその御御影・・・
こうして詳しく調べてみるとまんざら適当な事を言って持ち出したわけでないことはわかります。わけではないけど・・いや、(^_^;)どうなんだ??

「(^_-)疑うのかね? これだから若いもんは!知り合いの友達の娘さんが五円玉飲み込んだ時、この御影を飲んだらするっと下から出たという」

「ほほう(^^;(^^;(^^;)」

「しかもその五円玉の穴の中にコヨリのように御御影が通っていた・・・(=_=)」

「・・・(^^;(^^;(^^;)」
「それって人間ポンプのオジサンがやってた芸じゃないの?」
「くらやみ祭りの見世物小屋?」
「そうだ!紐付き磁石を飲み込んで引っ張れば良いんじゃない?人間ポンプのオジサン金魚釣ってた」
「・・・真鍮釘だからな~(-_-;)」
「あ、吸い付かないか~」
「磁石を飲むって時点で無理だろ!]

「だから御御影を(>_<)!」

「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
『医者に行きましょう!!(異口同音)』

小一時間ほどたって、建具屋さんは無事生還しました。
聞くところによると時間がたっていなかったため、胃にとどまっていた釘を胃カメラのアームで取ったとか。
時代が時代なら御御影に頼るしかなかったのでしょうが、現代ではそうもいきませんよね。
何より毎朝雨戸を開けるお客さんの目覚めが悪くなります(^^)


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